キューティクルの機能

・髪は傷んでも機能を、維持することは可能!?

髪は少しでも損傷を受けたら、その素敵な性質がすべて失われるわけではありません。

軽度の損傷でならそこに効果的に補強するものを入れて機能を維持することは可能です。ただし、「ある程度」を超えると、そのような手立ても効かなくなります。

では、どの範囲なら許容できるか。ダメージも含めて考えてみます。

パウダーブリーチで施術したとき引っ張るだけで毛が伸びてしまう、ひどいときは溶けてきれてしまう・・・、などの経験したことがある方もいると思います。

この場合は明らかに髪の性質を失っています。

 

ダメージもここまで進むと、後に色を入れても、パーマをかけてもすぐに落ちてしまいます。つまり、ヘアートリートメントでは対処できない範囲と言えます。

 

・毛髪におけるノックアウト級の傷み

ヘアカラーの処理時間と明るくなり方の関係を考えます。

8レベル、10レベルのヘアカラーを使うとき、健康網では、明るさの変化を目立つのは塗布後5分以上経過してから始まります、20分以降も明るくなり続けます。

しかし、パウダーブリーチなどは、塗布後すぐに変化し始め、放置時間と明るさがほぼ一直線になります。

ちなみにメラニン色素をライトナーに接触させると似た挙動を示します。このことからキューティクルには内部を酸化させるのを防ぐ仕組みがあり、時間を置くことでその仕組みが弱まると考えられます。

明るいヘアカラーくらいの強さのものはキューティクル層で弱められているのですですが、パウダーブリーチはその仕組みを破壊するくらい強いわけです。

現にパウダーブリーチで注意しなければいけないのは、塗布後20分くらい経過すると、引っ張ると髪は抵抗なく伸びてしまう、もっと引っ張ると切れてしまうことです。

さらにそのあとに色を入れても持ちません。まさに強烈なパンチのように髪の(キューティクル)強度を一気に低下させ、ノックアウトさせるわけです。

 

・ダメージすることで髪が失ったものとは?!

このとき髪は何を失ったのでしょう。まずは退色への抵抗性をあげることができます。さらに髪の強度と関係するハリ、コシ、ツヤやしなやかさも失われたと考えられます。

この状態では、苦労して綺麗に仕上げても水にぬれるとたちまち髪がとろけたようになるなどの障害が起きます。ちなみにハイトーンのヘアカラーを繰り返したときにも同じ症状が起きます。

対して、8~10レベル程度のカラー剤で酸化剤の影響を補正しつつ、何回かに分けて明るくすると、同じくらいの明るさになっても退色への抵抗性をかなり維持できます。

つまり、8~10レベル程度のカラー剤のパワーなら、使い方次第でキューティクルの機能を損なわせないことができるわけです。

そう考えると、先ほどのパウダーブリーチがノックアウト級のパンチなら、8~10レベルのカラー剤はボディブローかもしれません。とはいえ、ボディブローだって油断は禁物。蓄積すればやがて限界に達しノックアウトです。サロンではその限界にいかにちかづけないかを考えることが大切。仮にその限界に近づいたら、髪の表面の撥水性をあげる処理と、その効果を維持する処理が必要になります。

身近な方法としては、60~90℃でオイルやワックス、シリコンなどの疎水性の処理剤をキューティクル層に浸透させることが効果的です。